第4章 インスペクションプロセス

  • インスペクションの概要

4.1 インスペクタの役割

  • 作成者
    • 成果物の作成者、成果物の保守担当者
  • モデレータ
    • インスペクションを主導する
  • 読み手(プレゼンタ)
    • 成果物の説明
  • 書記
    • 欠陥、課題、コメントの記録する
  • 検証者
    • 修正を確認する

4.1.1 作成者の役割

  • 作成者はモデレータやプレゼンタ、書記を務めることはできない

    • 成果物に対し、客観的でない
    • 成果物に対し、一番詳しいため、ほかのインスペクタとは違った視点で見ることができる

4.1.2 読むべきか読まざるべきか

  • 成果物を読み手の言葉に置き換えて説明することにより、認識の齟齬を発見しやすくなる。

4.2 インスペクションチームの大きさ

  • 通常は3-7人

  • 要求仕様のような基礎的文書の場合は多くのインスペクタが必要

  • 大きなチームでインスペクションするよりも複数の小さなチームで平行して実施するほうがよい

    • N重インスペクション
  • 異なる種類の欠陥を発見できる人を参加者に入れるとよい

4.3 インスペクションプロセスの7段階

  1. 概要説明
  2. 各自の準備
  3. インスペクション(ミーティング)
  4. 修正
  5. フォローアップ
  6. (原因分析)

4.3.1 計画

  • モデレータの指名
  • 成果物の対象部分の決定
  • インスペクションミーティングの回数の決定
  • インスペクションの目的の決定
  • インスペクションスケジュールの決定
  • 作業成果物、補足資料、欠陥チェックリストおよびその他の資料をインスペクションパッケージとしてまとめる
    • インスペクションミーティングの数日前に配布

4.3.2 概要説明

  • 非公式ミーティング
  • 作成者が作業成果物の重要機能、前提、背景および置かれた文脈について説明する

4.3.3 準備

  • チェックリストやルールを用いて成果物をチェック

4.3.4 ミーティング

  • 概要説明および準備で得た成果物に対する理解に基づき、欠陥を収集
  • 読み手は小部分ごとに成果物を説明する
    • 小部分を説明し終わるごとに欠陥候補を指摘、質問、コメントをする
    • 書記は各潜在欠陥、提案、課題を作成者が修正段階で使用できるよう詳細に記録する
      • 課題ログ
  • ミーティングの締めくくりに成果物の評価を行う
  • モデレータはマネージャに提出するためのサマリレポートを作成する

4.3.5 修正

  • 作成者は課題ログに基づき成果物を修正
    • 全て修正する必要はない
      • 修正が必要ない欠陥は修正しなくてもよい
      • 未修正の欠陥は欠陥追跡システムに記録すべき

4.3.6 フォローアップ

  • 検証者が作成者に確認
  • 検証者は成果物を確認

4.3.7 原因分析

  • 各欠陥の根本原因を分析
  • チェックリスト、分析方法、テスト方法に反映